こんにちは、餅菓匠 清香です。今回は、当店自慢の「栗粉もち」に使用している栗について、少しお話しさせていただきます。
当店で使用している栗の主な品種は「奥伊予の城川和栗」です。この栗は、愛媛県西予市城川町で育まれるブランド栗として、栗好きの間では知る人ぞ知る存在です。城川町は、昼夜の寒暖差が大きく、日当たりが良好で水はけのよい土壌に恵まれており、栗の栽培に最適な環境と言われています。その環境で育った城川和栗は、粒が大きく、甘みが強く、風味が豊かであると高い評価を受けております。
以前は城川和栗のみで「栗粉もち」を作っていましたが、近年の地震や台風の影響により、主な栗の産地である城川町が大きな被害を受け、供給が安定しなくなりました。そのため、現在は城川和栗をメインとしながら、熊本産の和栗で一部を補っております。熊本産の和栗も高評価を受ける和栗ですので、品質には自信を持ってお届けしております。
栗は収穫後、皮むきや蒸すといった加工までの時間が長くなると風味が損なわれやすくなります。そのため、当店では、10年以上お付き合いのある城川和栗の専門業者にて、こちらの要望に合わせた1次加工を依頼し、さらに当店で最終加工を施してから商品にしております。この過程により、栗の持つ自然の風味を最大限に引き出し、美味しさを損なうことなくお届けできるよう努めております。
見た目や風味を一定に保つためには、漂白剤や着色料、香料といった化学合成物を利用する方法もあります。しかし、当店ではそうした方法には頼らず、素材が本来持つ美味しさを活かすことを大切にしています。そのため、栗の状態が商品にそのまま反映されるため、天然素材ならではの個性や違いが見られることもあるかもしれません。それでも、一つひとつの素材が持つ自然の魅力を活かし、より美味しくなるように工夫を重ねた商品作りにこだわっております。
季節限定の味わいを、ぜひお楽しみいただければと思います。これからも、自然と共に歩む餅菓匠 清香の栗粉もちをどうぞよろしくお願いいたします。